J2 第1節(A) 京都 vs. 相模原

日時:2021年2月28日(日) 13:00 KO

スタジアム:相模原ギオンスタジアム

結果:京都サンガF.C. 2 - 0 SC相模原(HUNT POINT:3、累計:3)

得点:82' ヨルディ・バイス、85' 三沢 直人

公式:www.sanga-fc.jp

 

感想:

2/26(金) J1 川崎vs横浜Fの開幕戦でいよいよ始まった2021シーズン。

今年は、チームの指導前からコロナ禍にあり、様々な規制でなかなか京都サンガF.C.のスタイルがわからないまま開幕戦を迎えました。チョウ・キジェ監督となって初めての公式戦とあって、不安はそんなになかったですが、期待とドキドキ感でキックオフを迎えました。

前半の前半(給水タイム前くらいまで?)は、風上の相模原が効率的に前にボールを運んで、サンガは我慢の展開。そこから徐々にペースを引き寄せて相手ゴールに迫りますが、前半は0−0で終えました。

後半頭らか白井→中野(克)、李→ウタカ、宮吉→三沢と前線を入れ替えていくと、82'にCKで松田→バイスで先制、川崎→三沢のミドルで追加点、そのまま2-0で見事開幕勝利を収めました。

相手はJ3からの昇格組で監督も継続の調子が良さげでしたし、J1 浦和とのトレーニングマッチでも固い守備からのカウンターが鋭くて、サンガが一番やらかしてしまいそうな相手に見えてドキドキしました。特に前半は風下で我慢の展開とあって、見る方も我慢が必要でしたし長く感じましたけど、後半はほぼ相手サイドでゲームを進められていてあっという間に終わりました。サンガの開幕戦勝利は実に6年ぶり。まだ42分の1ですけど、今シーズンに勢いをつけるのにはいいゲームだったなと思います。

次は早くも来週、いよいよホーム。一週間ニヤニヤしながら、過ごそうと思います。

 

■個人的MOM

三沢選手。ミドルシュートもすごかったですけど、途中からなのに上手くゲームに入って、効果的にゲームをコントロールしているように見えました。

 

京都サンガはどんなサッカーになるのか

2021年のJリーグ開幕直前。いよいよチョウ監督率いる京都サンガのお披露目が近づいてます。

そこで、2021年のサンガを見る前に、サッカーまるっきり素人な自分が狭い範囲で拾ったキーワードから参考になりそうなヨーロッパのチーム、指導者を想像してみました。

 

「湘南スタイル」

チョウ監督監督といえばまずはこれですよね。避けては通れない。ハイプレス、真っ直ぐゴールに向かう、次から次へと選手が追い越して来る、奪ったらまずカウンターを狙う、そんなイメージでした。就任直後は、なんだかんだで湘南スタイルが京都スタイルに名称変更されるくらいのイメージしか湧いてませんでした。

 

ユルゲン・クロップ

で、チョウ監督のサッカーってどんなサッカーだったっけと改めて調べ始めてよく出てくるキーワードからたどり着いたのがクロップ監督。ストーミング、ゲーゲンプレスなどのキーワードが代名詞のように出てきました。

キャンプ終わりくらいまでは、湘南スタイル→プレッシングサッカー→クロップみたいなサッカー→リバプールみたいなサッカーな感じで妄想してました。ただ、そうなるとちょっと前線に高さが足らないような…とも思ってました(素人ながら)。

 

「新たな京都スタイル」

チョウ監督がいつかのオンラインインタビューで答えてた記事で、湘南には湘南の街特有のらしさがあって、多少荒々しいガツガツいく感じは受け入れられやすい、だから京都には京都の街のらしさがあって…、だから湘南の時と同じサッカーにはならないみたいなニュアンスの話があった。

もちろん選手も違うし、チョウ監督が湘南と関わって来た時間も違うから、違うサッカーにはなるんだけど、街の話を結びつけてるあたりで、コンセプトなのか、戦術の大枠の部分なのか、どこか新しい何かを足すんだろうなと思った。

それが、1年後に「京都スタイル」と言われて、Jリーグを席巻するんだと思った。

 

「マルコ・ローゼ」

で、ほんならその「京都スタイル」の参考になる指導者は誰なんだろうか?やっぱりクロップ?ラングニック?シュミット?調べてすぐ出てくるストーミング戦術を使う監督の名前が出てくるけど、どうしてもクロップから離れられないなと思ってたら、チョウ監督が、エルゴラの選手名鑑で感銘を受けた監督として名前を挙げられてました。調べると、ストーミングの旗手で、

  • 守備の位置が高い
  • 敵陣でボールを奪い返す
  • 奪ったら一気にゴールに迫る
  • スプリントが凄い
  • 体も頭も休まない
  • ノンストップ

と言うようなキーワードが。これって、チョウ監督が結構言ってなかった?と。

ちなみに、ラングニック派と異なる点として、

  • ポゼッションも大事にしている
  • ロングボールが少ない
  • 試合をコントロールする
  • パワーフットボールとポゼッションの融合

と言うキーワードもあった。シュミットとの違いとして書かれていたけど、ゲーゲンプレスのクロップとの違いでもあるのかなと感じた。チョウ監督と長澤コーチが話してる動画で、異なる戦術を状況によって使い分けるようなサッカーにしないといけないと言ってるのをみたようなみてないような…。

 

と言うことで、自分なりに導き出した、チョウ監督率いる京都サンガのモデルとなる「90分とアディショナルタイムで息もできないくらい目まぐるしく攻守の入れ替わって結果的にHUNT3する」サッカーは、マルコ・ローゼ監督率いるボルシアMGのサッカーになると結論付けました。

 

こう言う妄想は楽しいですね。

はたしてどんなサッカーなのか、楽しみに開幕を待ちたいと思います。

Jリーグ選手名鑑 エルゴラ版

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今年の選手名鑑「Jリーグ選手名鑑2021  J1・J2・J3(エルゴラッソ特別編集)」を買いました。開幕までいよいよですね。J2の対戦相手を知るのも一つですし、J1のチームがどんな選手層になってるか見たいのも一つですが、サンガに在籍していた事のある選手が今ここにいたんだって言う発見もできて面白いですよね。特に、コーチなんかに見つけるとちょっと嬉しくなります。

 

開幕まで1週間、アプリ版でも予習して高めていきたいです!!

 

 

Jリーグ選手名鑑2021 J1・J2・J3 (エルゴラッソ特別編集)
 

 

 

2/14 練習試合 (vs.ガイナーレ鳥取)

■試合形式
90分(45 x 2)

■結果
京都サンガF.C. 2 - 1 ガイナーレ鳥取
(0 - 1, 2 - 0)

■得点者
鳥取 安藤一哉
京都 松田天馬
京都 武富孝介

■公式サイト

www.sanga-fc.jp

■雑感

まず、見てませんので全てネットの情報からの推測です。キャンプレポートで多くのサンガサポの期待値が上がりまくっていた初の公開トレーニングマッチ。事前のチョウ監督の「攻守にスイッチの入る瞬間からのスピードを見てほしい」というメッセージ、キャンプでのトレーニングマッチの結果、いろいろな情報がサンガを応援する人をポジティブにしていたと思います。

ただ、チョウ監督のコメントに「不十分な点もたくさんあった」、「反省点もある」とあるように、また、京都新聞の記事でも相手の鋭いプレスに苦しんだとあったように、事前のイメージよりうまく行かなかった試合だったんだなと想像します。

これは、自分が思うに、キャンプでJ1チームと戦っても自分たちがやりたいと思うサッカーができる部分があったという実感があって、そこからさらにトレーニングを積んできたという思いがあったからかなと。あとは、練習試合とはいえ、ファン・サポーターを約4000人(チョウ監督のコメントより)ほど入れて、本番さながらにサッカーを見せようという意気込みが強すぎて、少し空回りしてしまったことが前半で尾を引いた部分も少しあるのかなと思いました。

 

結果をポジティブに見ると、複数得点できている、逆転できる、観客の入ったゲームを事前に体感できた、などなどいい面もあります。

1つ目の複数得点は、「点が取れる」ゲームプランというか、そういうサッカーだということをみんながわかって、かつ、方向性はあってると思えるのですごくいいなと思います。

2つ目の逆転できるは、なんとなくサンガは先制されると弱いという先入観を持ってしまっているので、そこはすごくポジティブに見ています。(先制されたら勝率が下がるのは当たり前なんですけどね…。)

3つ目の観客が入ったゲームを事前に体感できたは、実は思ってた以上に気合が入ってたかも、というのと、気合い入りすぎて空回りしたらダメだよねっていうのを開幕前に少しでも知ることができたのが良かったのかなと思います。選手たちは、それこそ小学生の頃からそういう経験をしているのでそんな事はないかもしれませんが、それでも新しい監督、移籍後の新しいチームやチームメイト、新しいシーズン、様々な「新しい」がもたらす高揚感だったり緊張感だったりは、「新しい」ことを経験するたびにあるのかなと思うので、そういうところを少しでも経験したことで、開幕のときの「新しい」が1つでも減っているのが良かったなと思います。

 

あと、これも完全に推測ですが、キャンプが終わった今のサンガは、成長曲線でいうと、ちょうど成長が鈍っている部分かなと思っています。よく、波を打って右上がりになっているグラフをイメージすればいいんですが、始動からキャンプ終了まで、チョウ監督のサッカーを理解する部分とその体作りの部分が最初の大きな成長になって、急速に上がっていったのかなと思っていて、そこはまさに「日進月歩」のように日々飛躍的にチームとして成長していったんだと思います。そして、キャンプが終わって、そこからは少しずつ詳細にこだわった練習の部分も入ってくるので、「点滴穿石」の如く、少しずつディテールにこだわって突き詰めていっている状態で、成長が鈍化しているように見えている。ただ、これがあっているなら、この少しずつ積み上げている部分が一気に大きな結晶になって、またチームとして急速に成長するタイミングがやってくるはずです。

 

今年のサンガには、そういうプロセスに対する期待があって、なので、自分もすぐに結果を見て嘆かずに、チームの成長も合わせて見られたらいいなと思います。開幕まであと2週間ほどですが、さらに1mmでも成長した結果を開幕戦にぶつけてくれることを期待しながら、仕事を少しでも済ましておきたいと思います。

 

沖縄キャンプ終了!まもなく公開トレーニングマッチ

2/8に厳しくも充実した(らしい)沖縄キャンプが終わって、いよいよ2/14(日)に公開トレーニングマッチ「京都サンガF.C. vs ガイナーレ鳥取」、そしてその2週間後に2021シーズンが開幕します。

今年のキャンプはコロナの影響もあり非公開のものとなり、報道関係の方々しかその姿を見ることができませんでした。そんなモヤモヤとするタイミングで、安藤アンバサダーがキャンプをレポートという形で情報公開してくれたことはホントにいい活動でしたし、レポートが良かったせいか、例年にも増して期待できる状態のように思えてなりません。公開トレーニングマッチは見られませんが、開幕戦、DAZNでフォロー済みですし準備万端です!

 

ということで、これから開幕までどう過ごしたらいいか悩ましいところですが、ちょっとキャンプを振り返っておこうかと思います。

 

■あんちゃんレポート

【沖縄キャンプ】あんちゃんレポート1日目(1/26)|京都サンガF.C.オフィシャルサイト

【沖縄キャンプ】あんちゃんレポート2日目(1/27)|京都サンガF.C.オフィシャルサイト

【沖縄キャンプ】あんちゃんレポート3日目(1/28)|京都サンガF.C.オフィシャルサイト

【沖縄キャンプ】あんちゃんレポート4日目(1/29)|京都サンガF.C.オフィシャルサイト

【沖縄キャンプ】あんちゃんレポート5日目(1/30)vs.沖縄SV|京都サンガF.C.オフィシャルサイト

【沖縄キャンプ】あんちゃんレポート6日目(1/31)|京都サンガF.C.オフィシャルサイト

【沖縄キャンプ】あんちゃんレポート7日目(2/1)|京都サンガF.C.オフィシャルサイト

【沖縄キャンプ】あんちゃんレポート8日目(2/2)|京都サンガF.C.オフィシャルサイト

【沖縄キャンプ】あんちゃんレポート9日目(2/3)vs.北海道コンサドーレ札幌|京都サンガF.C.オフィシャルサイト

【沖縄キャンプ】あんちゃんレポート10日目(2/4)|京都サンガF.C.オフィシャルサイト

【沖縄キャンプ】あんちゃんレポート11日目(2/5)|京都サンガF.C.オフィシャルサイト

【沖縄キャンプ】あんちゃんレポート最終回(2/6)|京都サンガF.C.オフィシャルサイト

最後の2日は別のお仕事でキャンプ地沖縄を離れてしまったために2/6で終わってしまいましたが、休まず12日間提出されていてホントにお疲れさまでしたと言いたいです。また、選手目線であったり、より現場に近い立場で感じたことだったりを、包み隠さずわかり易い表現で書かれていたので毎日ほんとに楽しく読めました。また、こういうものを見たいですね。

 

■トレーニングマッチ

キャンプでは3回トレーニングマッチが行われました。

1回目(1/30)

■対戦相手;沖縄SV 

■結果;京都 7 - 2 沖縄(30分×3)

■得点者;宮吉、李、山田、中野×2、上月×2

2回目(2/3)

■対戦相手;北海道コンサドーレ札幌

■結果;京都 3 - 3 札幌(45分×3)

■得点者;李、山田、上月

3回目(2/7)

■対戦相手;FC東京

■結果;京都 6 - 2 東京(45分×4)

■得点者;武富×2、武田、中野、上月、三沢

変則的かつ総時間も違うので単純比較はできませんが、2勝1分と素晴らしい結果でした。ただ、キャンプ前からチョウ監督は「勝敗よりもトライアンドエラーでいいところと課題を出していく」というようなニュアンスのことを言われていて、オンラインインタビューの内容でも、失点部分にフォーカスを当てて、チャレンジした結果として課題が出たことを評価していました。どうしても結果で浮かれてしまうタチなので気をつけないといけませんが、選手や監督の言葉からは浮かれている様子もなく、さらなる高みを目指しているという風に受け取れますし、開幕まで楽しみに待っていようと思います。

 

キャンプのレポートや記事から感じたのは、「HUNT3」を実現するための厳しいトレーニングをみんなで切磋琢磨しながらチャレンジしているということです。チョウ監督は、言葉だけではなく、発言したことをどう現実のものにしていくのかということを常に考えていて、そういうことに一歩づつ近づけるように真っ直ぐにチーム作りをしているように感じました。

 

これほど開幕が楽しみなのは本当に久しぶりです。

ブランドイメージ戦略

昨年まで選手として活躍してた安藤淳ブランドアンバサダー(以下、あんちゃん)が、サンガのブランドイメージを今よりもっともっと上げるために日々活動されてます。

実際には、行政や教育現場の窓口となって様々なブランドイメージ戦略を地道に行なっていくことが仕事の大半かもしれませんが、ファンやサポーターに見える、SNSを通した活動について見てみたいと思います。

アンバサダー就任後のこれまでの活動内容は、

  1. 2021オーセンティックユニフォームの宣伝
  2. 公式Twitterの現場リポート
  3. 公式サイトの合宿レポート

が、自分が目にした内容です。

Twitterの公式アカウントで「#現場の安藤からです」のハッシュタグをつけてトレーニングの様子をツイートしてくれてますが、今はちょうど沖縄キャンプと言うこともあり、公式サイトにキャンプの様子をレポート形式で掲載して、それをTwitterでも投稿しています。ここ数年で公式サイトが劇的に進化して、SNSも活用するように変わって来ていましたけど、コアなサポーターやファン向けにはちょっと浅く、そうでない人には特に引っかからないような感じかなと思っていましたけど、今年はコロナ禍ということもあってか、サンガのことが好きな人がより楽しめるような一歩踏み込んだ活動になっていて、凄くいいなと思っています。

 

これは、もちろんあんちゃんが大変なんですけど、おそらくは、チョウ監督か誰か、現場の責任者レベルのチェックは間違いなく入ってると思いますし、まさに「一心」のスローガンのもと、自分の役割以外の部分に対して相互に協力しあっているんだろうなと感じました。

 

最後に、こじつけかも知れませんけど、そういう普段の小さな感謝の積み重ねが、選手のあと一歩を後押ししたりするような、そんな事が少しづづ起き始めようとしていたらいいなと思いました。

 

これだけは書いておかないといけないこと

2021年の京都サンガF.C.は、様々な理由で注目されるだろうし、様々な目で見られる。単純に見繕ってサッカーファンの半分は応援し、残りの半分は嫌悪するかもしれない。もしかするとサンガのファンやサポーターも半々に分かれるかもしれない。その一番の理由はチョウキジェ監督の就任にあります。多くの方が知っている、湘南ベルマーレでのパワハラ問題です。

 

それでも、自分はポジティブに考えてるし、応援したいと思っているので、理解している範囲で、なぜそう思うのかを書き記しておきたいと思った次第です。

 

1.調査報告書について

調査報告書は、ネットで調べるとすぐに読むことができます。その内容が以下のリンク。

https://www.jleague.jp/release/wp-content/uploads/2019/10/925ec93f2e7757434f6bc923dd9beb70.pdf

主に、スタッフに対する言動と選手に対する言動があります。

読むとわかりますが、昔は許されていたというか、問題視されていなかっただけで、問題ありだと思います。特に、スタッフに対する言動については、直接的に管理・指導する立場にないにも関わらず、監督という権力を持って脅しと捉えてもいいような叱責をされています。選手に対しても同様で、選手からすると選手起用に影響すると考えても仕方ない状況もあったと思います。

例えは悪いですが、野球の監督が試合中にベンチを蹴ったりしているシーン、ああいうものが公でない場で行われたり、場合によっては見せしめのように行われていたという感想です。

ですので、自分自身もこの報告書の内容とその処分は妥当だと思いました。(1年という期間が長いか短いかということではなく、一定期間のライセンス停止という意味で。)

 

2. 湘南ベルマーレでの主な成績

この後書く内容のために、チョウ監督時代の湘南ベルマーレの成績を見ておきます。

2012年;J2;2位;昇格
2013年;J1;16位;降格
2014年;J2;1位;昇格
2015年;J1;8位;残留
2016年;J1;17位;降格
2017年;J2;1位;昇格
2018年;J1;13位;残留;ルヴァンカップ優勝

J2では優勝2回、2位1回とすべて昇格しています。J1ではなかなか結果が出ていませんが、2018年にはルヴァンカップ優勝とタイトルもとっています。チームの予算規模、毎年のように主力を抜かれる状況から考えてもすごい成績です。事件がなければ今も名将と言われていたと思います。

 

3.成績とパワハラの関係性

ネットでよく見る意見として、ネガティブなものは「復帰は早すぎる」、「被害者の気持ちを考えたらない」、「あの成績がパワハラによってもたらされたものだったのか」というようなニュアンスのものが多いです。ポジティブなものは「公的な協会が決めた期間を経過しているので問題ない」、「事件を機に変わるのではないか」といったものがあります。

この中で一番気になっているのが「あの成績がパワハラによって〜」というニュアンスの意見に対してです。これは、この意見の前後関係から見ても、「ちょっとパワハラ的な部分があって、選手やチームを鼓舞した事によってもたらされた好成績であり、パワハラをしなければあの成績はなかった」という意見だと感じています。

ニュースを見たとき(調査報告書を読む前)には、自分もあまりパワハラの事は気にしたことがなかったし、身近に迫っている危機でもなかったので、「そうだよなー」程度にしか思っていませんでした。野球の監督の例を上で上げましたけど、「ちょっと場がピリッとして緊張感高まるんじゃないの?」程度の認識でした。

でも、会社のハラスメント対策教育などを受け、表面的に勉強しただけでも、会社(この場合はチーム)に及ぼす影響は計り知れません。主に以下のようなものがあります。

  • 会社のコンプライアンス問題
  • 選手・スタッフなどの人的な損失(移籍や退職)
  • 被害者への損害賠償、会社のイメージダウン(スポンサーへの影響)
  • 職場環境の悪化
  • モチベーションの低下(被害者だけではなく、その周りも含めて)
  • 生産性の低下(選手だとパフォーマンスの低下)

などなど、悪影響を及ぼすものがたくさんあります。そして、実際には、良い影響を及ぼす効果は1つもありません。そう、いいことが全くないんです。

このことにようやく気づいて思ったのは、湘南の成績は、本当はもっと良くなった可能性があったのではないか?ということです。もちろん、厳しい指導に耐えうる技術やメンタルを持ち合わせた選手が集まり、強度の強い練習の結果残した好成績ではあります。ただ、練習の強度が強かったことがパワハラではないということです。

その練習についていけなかった選手、あるいは思い描くスタッフワークに応えられなかったスタッフに対するその後の言動が問題であり、そこにパワハラがあったんです。

なので、パワハラでない部分はそのままに、ついてこれなかった人を一人でもすくい上げるフォローが会社としてできていれば、もっと良くなった可能性があるのではないかと考えるということです。

自分は、この考えがありネガティブな事は考えず、応援しようと思ったということです。

 

4.京都サンガに求められる今後の対応

最後に、じゃぁ手放しにすべて問題なしと考えていいかというとそんなことはなく、むしろ、これまで以上に選手や監督以外の事に多くのコストを掛ける必要があります。

1つは世間の反応に対して、よりリスクがある方に考えて対策をする必要があります。ポジティブなものははっきりって無視できますが、ネガティブな意見は無視できません。むしろ、そういう目で見られていることを認識して、監督、コーチングスタッフ、選手、だけではなく、社員全員を守っていく必要があります。なので、社員全員が、今年だけではなく、この先何年か(少なくともチョウ監督の間)はそういう意見もあるんだという認識をして、大げさに反応しないようにする必要があります。

次に、ハラスメント教育を全員に定期的にする必要があると思っています。会社でやっているからそう思うのではなくて、こういう問題は、ずっと意識する必要があるからです。特に、慣れは怖くて、そのうちこれは大丈夫とか思ってしまうのが人間なので、教育を受け続ける必要があると思います。そして、一定の知識を得ることによって、被害者側は誰かに言ってもいいんだと思えるし、会社はそういうポストを構築するからです。親会社の力を借りてでもやるべきだと思います。

 

なんだかよくわからない文章になってしまいましたけど、以上が自分の思っていたことです。

 

自分としては、パワハラ問題を自分なりに理解した上で、それでも定められた研修を受け、一定の処分を受け、復帰が認められたと把握しています。ハラスメント行為は、内容の程度と加害者側の問題認識の差があって判断が難しいですが、今回のケースは、教育を受けることにより本人が反省し、対策をとり、再発防止ができるものであったと感じています。ですから、日本サッカー協会に復帰が認められたと思っています。そして、自身の問題を認識して克服したからこそ復帰を認められた監督を応援でき、期待できると思っています。

再発してしまえば、それ見たことかということになってしまいますし、その被害は計り知れません。

それでも再発しないと信じています。これは、リスクを甘く見ているのではなく、自分が出した結論であり、決断した結果です。

 

チョウ監督が京都サンガの監督として指揮をとってくださる期間は、今回書いたことを忘れずに応援しようと思います。